はじめての減塩 (幻冬舎新書)

読み始めてから僅か2時間半程で読了。最近、「日本食が健康に良い」という主張をよく見かける。「日本食がヘルシーだから、日本人の平均寿命も長い」とも。だが、それは間違いである。日本食は、蛋白質が少なく、体格の成長に問題を起こし（日本人の体格が小さいのはこのため）また、塩分がかなり高く、高血圧になったり、血管や心臓の病気を引き起こす。ヘルシーというのも、ただ単に日本人の食べる量が少ないだけの事で、日本食のお蔭ではない。外国へ行った事のある人ならお分かりだろうが、外国人の食事量は日本人とは比べ物にならない。日本人が彼らと同量の食事を摂ろうとすれば、たちまち肥満になってしまうだろう。日本人ご自慢の平均寿命も、欧米諸国とは大して変わらない。（アメリカはやや低いが、医療格差・飲酒・ドラッグ摂取が原因である。中流以上のアメリカ人の平均寿命は日本人とほぼ変わらない）これらの知識を踏まえた上で本書を読むべきである。日本人が塩分を摂り過ぎる、というのはもう40年以上も前から言われている。日本人の塩分摂取量は、欧米人のそれに比べて、倍近いか、またはそれ以上である。厚労省の基準値さえほとんどの人は守れていないだろう。この塩分過多は日本食の大きな欠陥であり（中華料理はさらに塩分が多いが）この40年間、ほとんど塩分摂取量の改善が見られないのもそのせいだろう。日本食の代表的なもの、みそ汁、うどん、魚料理、漬物など、また、調味料のみそ、しょうゆなど、塩分が高いものばかりがそろっている。しかし、日本に住んでいる限りは日本食が中心になるのは仕方がない事である。そこで、本書では、日々の食事において、いかに塩分摂取を減らすかを丁寧に説明する。その全てを紹介はできないが、いくつか挙げてみる。・特に調味料と加工食品に注意（調味料はなるべく少な目に）・自分の舌を薄味に慣れさせよう・栄養成分表示の「ナトリウム」に気をつけよう（ナトリウム2ｇなら、食塩の量は5gほど）・みそ汁やラーメンの汁は飲んではいけない・漬物の代わりにピクルスを食べよう・外食は全般的に塩分が高い・塩分の物足らなさを補うために、酸味・辛味・香味を利用しよう・実例おにぎりを作る時は、手に塩をつけずに握る。中の具をすぐ食べられるように、全体に薄く広げて握る。このレビューを書いている筆者自身も、塩分摂取量を守れている訳ではないので、この本を参考にして、ヘルシーな食事を心がけるようにしていくつもりである。